システム審査部(システム認証登録)【60周年記念ページ】
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■事業の状況
当財団は、平成8 (1996) 年2月に品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」の
認証登録業務を開始しました。続いて翌年の平成9 (1997) 年8月には、環境マネジメントシステム「ISO14001」についても業務を開始しました。その後、事業範囲を拡大し、平成26 (2014) 年10月には労働安全衛生マネジメントシステム「ISO45001」、さらに令和元(2019)年7月にはアセットマネジメントシステム「ISO55001」についても参入しました。
ISO9001とISO14001については、公益財団法人日本適合性認定協会(以下「JAB」という)
から第三者認証機関として認定を受け、ISO45001とISO55001は、当財団の自主認証として実施しています。
当財団の認証登録件数は、平成8 (1996) 年の業務開始から順調に拡大していきました。(図1)これは、公共工事に際してISO9001の認証取得を入札参加資格要件とする動きがあったことにより、建設業者が認証取得に向けて取り組んだ結果でした。
その後、入札参加資格要件の緩和などもあり、平成17 (2005) 年度をピークに認証件数は減少に転じ、平成20 (2008) 年のリーマン・ショック以降はその傾向にさらに拍車がかかることとなりました。
【図1】認証登録件数の推移
当財団のISO9001認証登録業務は、開始から30年弱が経過しました。認証企業が認証機関による第三者認証を必要としない自主的運用に移行する動きが進み、認証登録を辞退する傾向が徐々に表れています。
ISO14001に関しては、カーボンニュートラル、SDGsなど、環境配慮に関する社会的要請を背景に認証取得を継続している企業があり減少は鈍化しています。
このような状況のもと、当財団の認証登録件数は、品質マネジメントシステム、令和6 (2024) 年4 月1日現在で172 社、また、環境マネジメントシステム63社となっています。なお、労働安全衛生マネジメントシステム11社、アセットマネジメントシステム1社です。
■内容と特徴
当財団の認証業務は、建設・設計及びこれらに関連する分野を専門としており、JABから取得している認定範囲は「建設、エンジニアリング・研究開発、コンクリート・セメント、
加工金属製品及木材・木製品など」の14 分野となっています。また、認証企業の主な業種は、(図2)のとおりで、ゼネコン、サブコンで6割を占めています。
【図2】認証企業の主な業種
当財団の認証業務の特徴は、建設分野の業務に精通し、豊富な経験を持つ主任審査員19
名(令和6 (2024) 年4月1日現在)が、認証企業の実情に合わせ、システム改善につながる審査を行っていることです。認証企業のマネジメントシステムに即した、より効果的な審査を行うため任意で「審査テーマ」を設定し、これについても認証サイクルの3年間を通じて審査する当財団独自のプログラムも行っています。
審査員については、審査の質の維持・能力の向上のため、定期的に審査員会議を開催し、
品質または環境に係るテーマについて議論するなど、審査に関する知識の習得及び審査技術の研鑽に努めています。
また、認証企業へのサービスとして、ISO規格に関する事項 (規格改正など) やその時々のトピックスを題材に様々な意見交換を行う「情報交換会」を開催するとともに、各種有用な情報を「ISOだより」として発行するなどの情報提供、DX推進の一環として発行文書の電子配信などを実施しています。
「職員のこぼれ話」~ ISO、華やかなりしころのシステム審査 ~
いまから遡ること四半世紀、世間ではいわゆる『何が何でもISO』のような状況だった頃の話です。
システム審査部においてもISO9001 (品質) やISO14001 (環境) の審査は、ほぼ毎日全国のどこかで行われていました。
ISOの審査は、お客様にとって今まで経験したことのない領域の審査 (システム審査) ということもあって、特にISOの審査員は、何か特別な存在のように思われていたようです。
そのような状況の中で審査員から聞いた、今では考えられないリアルにあった話(一例)をご紹介いたします。
「その1」
通常は、審査に先立っては審査員が自己紹介をするのですが、この時は、組織側の方がそれぞれの審査員を紹介してくださったそうです。各審査員の紹介がされるたびに、出席者全員から審査会場が割れんばかりの拍手があり、ライブのメンバー紹介のような状況だったようです。
「その2」
審査員がタクシーに乗って受審組織に向うことがよくありますが、タクシーを降りた場所から審査会場の入口までカーペット (赤い) が敷いてあったそうです。
もちろん現在では、このようなことは全く無く、淡々と審査が行われていることは言うまでもありません。
このような経験をしたのは、システム審査部の外部審査員ですが、現在では約20名に減少し、多い時の半分以下の人数となってしまいました。しかしながら初期のころからの審査員の多くの方はまだまだ元気で、今も頑張って審査をしていただいております。
情報交換会の様子
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