国際部(国際交流)【60周年記念ページ】
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■事業の状況
当財団は、変化する時代の要請に対応しながら、設立当初より国際業務を実施してきました。平成27 (2015) 年に国連で採択された SDGsへの対応 はその一例であり、建築・住宅分野における国際交流の一層の推進につながったと考えています。
国際部では、開発途上国と先進国の両方と協力関係を築いてきました。開発途上国に対しては、毎年、 独立行政法人国際協力機構(JICA)と連携し、研修事業を実施しています。主なテーマは、適正価格での住宅供給(アフォーダブル住宅の提供)や建築物の耐震化などです。また、先進国との協力では、住宅の省エネ化や木造建築の推進を中心に技術交流を行っています。これらの活動により、SDGsのゴール4「質の高い教育をみんなに」,11「住み続けられるまちづくりを」,17「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成に向けて取り組んでいます。
国際交流分野では、長寿命建築や建築物の環境性能評価など、双方が関心を持つ分野での技術交流を進めています。例えば、令和元 (2019) 年には中国建設科技集団及び中国不動産業協会と「建築生産工業化分野における日中双方の協力に関する覚書」を締結しました。また、令和5 (2023) 年には中国建設科技集団と「戦略的協力に関する覚書」を結びました。
木材を使用した建築物が近年増加する中、令和3 (2021) 年には、中高層木造建築に関する国際会議「WOODRISE 2021 KYOTO」が京都で開催されました。この会議の主催は一般社団法人 国際建築住宅産業協会(当時の名称。現在は一般社団法人 国際住宅建築都市産業協会(JUBH))であり、当財団も協賛団体として会議の成功に貢献しました。また、コロナ禍の影響で、対面で行う予定だった「WOODRISE 2021 BUSINESS SESSION」が翌年に延期する形で、東京にて開催されました。イベントでは木造建築に関連するビジネス商談会やテクニカルツアーが行われました。
令和4 (2022) 年からは、ドイツ語圏を中心に活動している IHF(Internationales Holzbau Forum / 国際木造建設フォーラム)の会合 (インスブルック) に参加し、木造建築に関する講義や、各国の専門家とのパネルディスカッションを通じて情報交換を行いました。令和2 (2020) 年以降は、コロナ禍で海外との往来が制限された期間もありましたが、オンラインによる研修や国際会議を通じて、国際交流事業を継続的に実施しました。
■内容と特徴
当財団は、日本及び諸外国の建築水準の向上や建築技術・建築資材の交易促進などに取り組んでいます。国際部は当財団の国際交流を推進する中核組織として、国内外のネットワークを通じ、以下の事業を中心に活動を行っています。
① 海外の機関との交流・連携
フランス、中国など海外の建築技術評価機関との交流やWFTAO (世界技術評価機関連盟)への参加を通じ、建築技術評価分野の各国の取り組みについて情報交換を行います。
② 国内外の建築基準等に係る情報の収集と発信
日本の建築基準法の英訳や海外の建築基準等に係る情報のウェブサイト掲載等を通じ、当財団の事業を通じて収集した建築関連情報を国内外の建築・住宅関連企業等に対して提供します。
③ 日本の建築・住宅分野の国際交流の支援
一般社団法人建築・住宅国際機構(IIBH)、一般社団法人国際住宅建築都市産業協会(JUBH)、日中建築住宅産業協議会(JCBH)等、日本の建築・住宅分野の関係団体が行う活動を支援し、建築・住宅分野での国際的な民間交流の促進に貢献します。
④ 国際貢献活動
独立行政法人国際協力機構(JICA)や一般財団法人日本住宅協会の国際居住年記念基金(IYSH)事業に協力し、開発途上国の技術者や行政官、在日留学生等を対象とした研修事業を実施します。
「職員のこぼれ話」~ 当財団の国際交流:テレックスの時代から ~
今日、電話やメールはもちろん、コロナ禍を契機にオンライン会議の活用も増え、距離や国境を意識することなく、海外との通信は飛躍的に便利になりました。 当財団は、1965年の設立以来、変化する時代の要請に対応しながら、国際業務を実施してきました。
設立当時、海外との通信は、主に「テレックス」が使用されていました。文字数で通信料が変わるため、文字数を圧縮した暗号の様な通信文のやり取りで、また、発信・返信の両方が長いロールペーパーに打ち出されるため、解読するのも一苦労だったようです。当然、受発信した内容はデータ化されませんでしたので、紙がなくなると大騒ぎ。休み明けには、海外から送られてきたテレックスが長い帯のように床まで垂れ下がり、折り重なっていることがよくあったとか。
その後、FAXやインターネットの登場で、海外との交流がさらに広がることとなりました。
海外とのやり取りが、今よりも大変だった時代から構築したご縁や交流を大切に、今後も国際活動を行ってまいります。
テレックスのイメージ
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