構造判定部 (構造計算適合性判定)【60周年記念ページ】
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■事業の状況
平成19 (2007) 年6月に施行された改正建築基準法によって、構造計算適合性判定制度が導入されました。
同年に当財団は、全国31都府県から指定を受け、構造計算適合性判定 (以下、構造適判) 業務を開始しました。
その後、平成27 (2015) 年6月に施行された改正建築基準法に伴い、国土交通大臣より全国を業務区域と
する構造計算適合性判定機関の指定を受け、42都道府県で業務を開始するに至りました (図1参照) 。
平成27 (2015) 年8月に長野県、同年9月に愛知県、11月に山口県、平成28 (2016) 年4月に大分県から
構造適判の委任を受け、令和6 (2024) 年現在、業務区域は全国46都道府県に拡大しました。制度の開始当初
より多くの申請を受け、これまで累計約23,000件、29,000棟の判定を実施しています (図2参照) 。
【図1】平成27 (2015) 年と令和6 (2024) 年現在の業務区域
平成27 (2015) 年5月までの旧制度は、建築主事等からの判定の求めにより構造適判を実施していましたが
同年6月開始の新制度では、建築主が適判機関に直接申請することになり、確認申請から独立した手続きとなり
ました (図3参照) 。
ただし、旧制度同様、新制度においても確認申請と構造適判を同機関に申請することはできません。申請時期
は建築主が自由に選べますが、確認申請と構造適判を並行して申請することで効率的に進められます。そのため
当財団では、構造適判の本申請時に手戻りなく建築主が円滑に手続きを進められるよう、事前相談や事前審査を
積極的に進めています。その結果、令和6 (2024) 年現在、本申請の9割以上で事前審査が実施されるまでに
なりました。
【図3】平成27 (2015) 年建築基準法改正前後の構造適判制度
■内容と特徴
当財団は、「判定の基本方針」、「判定内規」 等に基づき、ばらつきのない統一的な審査を行うとともに、
事前相談、事前審査、本審査を丁寧に行い、手戻りのない審査を実施しています。
また、当財団の機関誌「ビルデイングレター」やメールマガジン等を通じ、建築基準法令・告示の改正に
関する情報、「構造関係技術基準解説書」の改訂情報や構造計算における実務上のポイント等の技術的な
情報をお客様に提供し、高評価を得ています。
令和2 (2020) 年3月には国土交通省より認可を受け、構造判定機関としては初となる電子データ (PDF
形式) による電子申請の受付を開始しました。令和3 (2021) 年11月からは申請者及び設計者の電子署名を
不要とし、令和4 (2022) 年4月には、より便利に利用できるよう電子申請システムの見直しを実施、同年
10月には、ホームページに「電子申請 (本申請) のご案内」ページを掲載して電子申請の手引きを公開する
など、 更なる利便性の向上に努めています。令和6 (2024) 年現在では、事前審査の9割以上、本申請の
4割以上が 電子申請となり、今後も更なる推進を図る方針です (図4参照) 。
「職員のこぼれ話」~ まるでパズルゲームのような図書保管 ~
構造適判では、多くの申請図書と事前審査図書を15年間保管する必要があるため、この管理が
一苦労です。都道府県知事からの委任により業務を行っているため、都道府県ごとに複数の案件の
図書を一つの段ボール箱に保管して、一定量増えると外部倉庫に保管しています。複数案件の図書
を一つの箱にまとめることを「相席」ならぬ「相箱(あいばこ)」と呼んでいます。
申請の多い都道府県の図書はすぐに箱が一杯になり問題ありませんが、申請の少ない県の図書は、
執務スペース内の施錠できる倉庫に何ヶ月も保管しておき、外部倉庫の保管料を節約するために、
段ボール箱がぴったり一杯になるまで外部倉庫に送らずに、同じ県の新たな案件が申請されるのを
ひたすら待ちます。何ヶ月も保管していた段ボール箱の隙間に、ピッタリ入る同じ県の申請が来た時
には、密かに小躍りしたくなるくらい嬉しく、まるでパズルゲームをしているようです。
現在は事前審査案件の9割以上が電子データで実施されるようになり、本申請も約半分が電子
申請になりましたが、まだまだ書面による申請も多いため、密かな楽しみは続いています。
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